<大パンダ>


 第7景  「むすめごころ」 (2002.1.23)

  小学2年生のあかねちゃんとおかあさんが外来診察に来られました。気管支喘息の治療の既往があります。最近は軽症化して治療を休んでいる ところ。ところがこの一週間ほど咳き込みがひどい とのことです。予備に用意しておいた内服や吸入 をしてもよくならないので受診。

  だいたいこういうときは、マイコプラスマという弱毒の細菌の肺炎や気管支炎に罹患していることが多いんです。さっそく検査してみると、胸部X線 写真で、やはりそれらしい肺炎でした。
「やっぱり肺炎でしたね。いちおう血液検査して抗生剤を処方しますね。ええ、入院の必要はぜんぜんありませんよ。」
「学校とお風呂はどうしましょうか?」
「ふつうでかまいません。ただし咳き込むと思う ので、体育だけ一週間ほど休ませてくださいね。」
「あかねちゃん、ひさしぶりなのでお薬の量を決めるから、そこにある体重計にのってみてね。」
「はーい。」と笑顔のあかねちゃんが診察室の デジタル体重計に靴を脱いでのります。

 お母さんがなぜか笑っています。
「二十二キロでーす。あかね、いま体重はかる時に、 いっしょうけんめいおなかをへこませていたでしょ?」 「うん、そう。」とあかねちゃん、照れています。

 わたしとおかあさんは顔を見合わせて笑います。それにしても、あかねちゃんはぜんぜんおデブでも なんでもないんですよ。そんなに体重なんか気にする ことないのにねえ。もちろんあかねちゃんには、おなかひっこめても体重計の目盛が変わらないことはないしょにしておき ました。

        体重計よく髪を拭きもう一度