<大パンダ>


 第9景  「毒薬の味って?」 (2003.3.28)

  かわいいママさん看護師さん(やっぱり今までの呼び名の「看護婦さん」のほうがすてきですよねえ?)のたかこさんが、わたしが午後の専門外来の診察に行くと、始める前に教えてくれました。
「G先生、午前の外来でおもしろいことがあったんですよ。」
「なあに、教えて、おしえて。」
 なんでもマイコプラズマ肺炎を外来で治療する予定の患者さんの5歳のルリ子ちゃんの親子。同僚のベテラン小児科医のM先生が服薬をきちんとしてもらうために、一生懸命に説明です。
 クラ○○なんていうとても味の悪いお薬です。使う病気によってはけっこうよく効 くいいクスリなんですけれど。
 お子さん相手の小児科医の苦労はこんなところにもあるんですよね。
 古今東西の医学上の真理。
 その1 塗らない軟膏は効かない。
 その2 飲まない薬も効かない。
 M先生「だからいいですか。このお薬はオレンジ風味なんだけれど、なめていると 『毒薬』のような味がするから、お口に入れたらすぐに飲み込んでくださいね。」
 くるりとママの方を向いたルリ子ちゃん、
「ねえ、ママ、毒薬ってどんな味なの ?」
 あくまでまじめなルリ子ちゃんのママは首をかしげて、
「さあ、…ママも『毒 薬』ってまだ飲んだことがないからわからないわ。」
 M先生も思わず苦笑い。同じく『毒薬』はまだ飲んだことがない他のスタッフ一同 も、笑いをこらえるのにたいへんだったんだそうです。