顔・ボタン「愛しい、1歳のお誕生日に麻疹風疹混合ワクチンを!」
 (2003.9.19)   

   〜 新潟県小児科医会2005年麻疹制圧運動キャンペーン 〜
   指ポスター
新潟県小児科医会 副会長  大塚武司
「1才過ぎたらなるべく早く麻疹風疹混合ワクチンを」 (2006.4.22.追加)
予防接種が2006年4月1日から変わりました。今までお誕生日に麻疹をワクチンをと運動してきましたが、今後は麻疹風疹混合ワクチンを接種しましょう。このワクチンは麻疹と風疹が一緒になったものです。今まで麻疹の接種率をあげるのに努力してきましたが、混合ワクチンとなると麻疹より低い風疹の接種率が上がります。また接種年齢は1歳から2才までと限定されていますので、忘れずに1才過ぎたら早くやりましょう。予防接種は時々変更がありますので、予防接種のプロ。小児科のかかりつけ医にご相談を。
麻疹は怖い病気です
 新型肺炎「SARS」の流行も幸いにも終息しましたが、死亡率が15%を上回るなど世界中を震撼させ、経済活動にも大きな打撃を与えました。幸いにも日本での患者発生の報告はありませんでしたが、同じようなウイルス疾患で、未だに国内で年間数十名から年により百名以上の死者をだす病気があることをご存知ですか、それは麻疹(はしか)です。そしてその死亡の大半を乳幼児が占めています。麻疹は今でも怖い病気なのです。
麻疹ウイルスは感染力が非常に強く、年間十万から二十万が罹患し、約三割が肺炎や脳炎、中耳炎などの合併症を起こします。現在のところ麻疹ウイルスを直接退治する薬物はありませんが、新型肺炎「SARS」と違い、とても良いワクチンがあります。ですから麻疹ワクチンの接種を受けることで予防することが出来ます。

●麻疹ワクチンは1歳になったらすぐ受けましょう
麻疹の患者さんのおよそ半分が1歳以下の子供さんです。それにもかかわらず、日本では1歳児の予防接種率は50%程度にすぎません。麻疹ワクチンの定期接種、行政が無料で接種してくれる制度では、接種年齢は1歳から7歳6ヶ月と規定され、1歳未満児は自費になります。小児科医会は麻疹制圧運動の一環として、1歳になったらすぐ麻疹ワクチンを接種する啓蒙活動を展開しています。愛しいお子さんを恐ろしい病気から守るのはお父さん、お母さんの行動にかかっています。1歳の誕生日の何よりのプレゼントです。
残念ながら現在の日本は、アフリカなど発展途上国と同様に麻疹の根絶にはほど遠い発生率で、ワクチン接種率も低く、麻疹を制圧した米国からは、米国内で散発的に発生する感染源は日本人旅行者や駐在員とその家族が一位を占め、最大の麻疹輸出国と名指しで非難される始末です。麻疹は春から初夏に流行し、今年も県内での患者発生、流行が報告されています。

●もう一度母子手帳を確かめて
麻疹に罹ったお子さんの親のアンケートでは、信念や信条でワクチンを受けなかったと答えたのは極少数で、大半は「うっかり忘れた」、「いつか接種しようと思っていた」など些細な理由でした。麻疹ワクチンの接種を済ませていないお子さんは、早急に接種して下さい。そしてこの際お子さんの予防接種暦を母子手帳でもう一度確かめてみては如何ですか。麻疹に限らず、風疹やDPT三種混合と日本脳炎の一期の定期接種の接種年齢は七歳六ヶ月までで、それ以降は任意接種、自費になってしまします。予防接種は病気から身体を守る確実な方法です。後々後悔しないためにも計画的に早めに済ませて下さい。
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