2)子どもの健康の第一の敵は事故

 子どもの健康というと「風邪などをひかせないように」などと病気のことを心配しがちなのですが、実は子どもの健康に最も害を与えているのは不慮の事故です。平成23年度の子どもの死因順位の統計表によれば、1歳から9歳までの子どもの死因の第一位は不慮の事故でした。その事故さえなければ元気に成長していったと思うととても残念です。事故というと「子どもから目を離さないように」とよく聞きます。とても大事なことですが、一瞬でも目を離さないというのは実際には不可能なことです。「今までなんともなかったし、うちは大丈夫だろう」と楽観的な方もいらっしゃいますが。実は何の保障もありません。人間はもともと楽観的に考えやすいくせがあるのです。また、「たまたま運悪く・・」と考えがちですが、実は同様の事故が他の子どもにも繰り返し発生するのです。どのような事故がおきているのか、その情報を知ることはとても大切です。子どもには何が危険なのか、どうすれば回避できるのかを知り、危険を防ぐ工夫や改善をしていく必要があります。このコラムでは日本小児科学会が把握した子どもの事故の情報を紹介していきたいと考えています。